傾 山 katamuki  1602m                03.09.14

                     杉ヶ越〜後傾〜本傾

女性らしい美しさを持つ九重。それに対して男性的な逞しさを持つのが祖母・傾山群である。
この山々は奥深く、険しくほんとに気を許せないところだ。
だが他では見られない大自然の美しさがここにはある。
この美しさと険しさが登山者を魅了させるのだろう。

今回はHPで知り合った2人(博多区の肉まんさん五右衛門くん)と杉ヶ越から傾山に登った。
一人はこのコースの経験者である。登ってみて思ったことはとても単独では登れない場所である。
UP・DAWNが多く、やせ尾根も至る所にあり険しい。
また迷いやすい箇所もあり私のような今回初めて登る者なんかはとても危ないかもしれない。
杉ヶ越の登山口から本傾まで4時間15分、帰りは同じコースを戻ったのだがUP・DAWNが多いため
4時間10分と行きと同じくらい時間が掛かった。計8時間の登山である。

 コースとタイム

 06:45 杉ヶ越登山口
 07:55 一つ目のハシゴ
 09:45 3段ハシゴ
 10:45 後傾
 11:00 本傾(昼食)
 12:15 本傾出発
 13:10 3段ハシゴ
 16:25 杉ヶ越登山口
杉ヶ越から本傾までのコースには水場がない。
私は水分を取らない方だが、この時季の暑さも考えて飲料水3リットルを積んで登った。
他の2人は4リットルも担いでいた。その分荷物はズッシリと重くなり登りが辛かった。
注意‥ 本文中には地図等が出ていますが、説明しやすくするためにコヨーテ本人が作成したものであり
      縮尺、方角等は正確ではありません。またコースタイムには個人差があるため、正確に知りたい方は
      国土地理の地図や他の資料をお勧めします。 

県道6号線を大分県側から日之影方面に車を進めてトンネルを出た所に杉ヶ越登山口がある。
右側の登山口から登っていくとすぐ尾根に出る。この稜線を右に行くと新百姓山、左に行くと傾山だ。
また近くには「杉ヶ越大明神」があり、帰りにお参りした。(本当は登る前にお参りするべきだったかな)

杉ヶ越登山口 杉ヶ越大明神。
登る前にお参りしましょう。

暫らくは杉林の中をのんびりと進んで行く。周囲には「四国ママコナ」の花が咲いていた。
やがて景色は変わり険しい道へと変貌していった。
UP・DAWNを繰り返しながら段々と高度も高くなっていく。
所々にロープやハシゴが設置されていて、これらを頼りに登り・降りを繰り返していく。

遠く向こうに後傾が見えている。まだまだ遠い。 登山道沿いにある巨石・障子岩
ハシゴを登ったり降りたり大変でした。 絵になる光景が至る所にある。

このコースはヤセ尾根が多い。
本日晴天であったため無事通過できたが、悪天候だったり風が強かったら‥ちょっと怖いかな。
足を踏み外すと下は谷底の所もある。天気が良くても気を抜けない場所だ!
でも所々のヤセ尾根から雄大な展望が望めた。
クワズル谷、ベニガラ谷、深い原生林に覆われた深い谷は絶景である。
思わず吸い込まれそうになる。おおっと、危ない!

登山道のあちこちで咲いていた四国ママコナ
ロープを頼りに岩の壁を通り抜ける。

このコースにハシゴは全部で16も設置されていた。(2段ハシゴは2と数えた)
その最後のハシゴが極めつけの三段ハシゴ。ハシゴが3本連なっていて長〜い!
どうやってここまでハシゴを運んできたのかな?ここまで来るのも大変なのに‥。
16のハシゴはすべてアルミ製のハシゴのようだ。中にはすぐ側に以前使われていたと思われる木製の
ハシゴが放置されていた。

三段ハシゴ リンドウも咲いていた。

三段ハシゴを登りきると、ここからは急な登りがひたすら続く。
山頂まであと300〜400mくらいだろうか?とにかく長い、辛い道のりだ!荷物が重い!足が重い!
何度か休憩しながら登ること1時間、祖母・傾山縦走路に合流した。
左は九折越、右は傾山。右折して後傾はすぐ近くだ。

傾山は後傾・本傾・前傾の三岩峰で形成されている。
まず後傾に着いて体が膠着した。「すごい!」
私の目の前には今までとはまた異なった雄大な景色が飛び込んできたのだ。
天気は良く、視界も望めたのもラッキーだったのかもしれない。
目の前には本傾や三ッ坊主、二ッ坊主、吉作坊主などの前傾が見える。
また左には遠く祖母山、古祖母山、それらに続く長い縦走路も見えていた。
ここまで苦労して登ってきた私達へのご褒美を頂いた気分だ。

後傾から本傾山頂までは約10分くらいで着いた。
奥の広場には前傾同様の景色が望める。
ここでのんびり1時間ほど昼食をとり、元来た道をげざんした。

後傾から見た本傾 本傾山頂
本傾から見た前傾 本傾山頂から見た縦走路。
遠く向こうに祖母山が見える。

冒頭でも話したが下山も行きと同じくらい時間が掛かった。
UP・DAWNの地形のせいもあるが、行きは勢いが良かったのに対して帰りはその分バテタのかもしれない。
いずれにせよ下山も時間が短縮出来ないので注意したほうが良い。
私達は早めに出発して時間に余裕があったので無事時間内に下山出来たが、天候・体調等の変化で
予定時間内に着かない場合は途中でも引き返した方が賢明かもしれない。
しかし、今回の登山はハードでバテ気味ではあったものの、天候にも恵まれて素晴らしい展望も
味わえて最高だった。

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