大崩山  1643m   2009.09.20 


 

袖ダキ展望所から見た湧塚の岩峰


シルバーウィークの連休を利用して今回はじめて大崩山に登ってきました。
前日の19日(土)は車で祝子川温泉「美人の湯」まで移動。
朝8時頃に自宅を出発。日田、黒川、竹田を経由して昼前には国道326号線にある道の駅「宇目」に到着。そこから更に南下して行き下赤から「大崩山」「美人の湯」の案内板に従い右折、林道を走ること25分ほどで美人の湯に着いた。
ここから登山口までは約4km、車で10分ほどで行ける。

道の駅「宇目」 国道326号線の下赤より右折して美人の湯を目指す

「美人の湯」ではありがたいことに下の第2駐車場が登山者のために開放されている。駐車場にはトイレ有り、流し台に水場もある。
山から下りてきたら温泉もある。至れり尽くせりである。
その夜は「美人の湯」の駐車場でテントを張り、翌朝から登ることにして、とりあえず登山口までの下見をしていおく。
その後は夕方まで「美人の湯」にてのんびり休むことにした。
美人の湯の駐車場は登山者の為に開放はしているが、テントの設営は夕方からとなっている。また日中はまだ日差しが強く、暑いので、ゆっくり温泉でも入り〜♪休憩室にて生ビールでも飲みながら時間を潰す。

美人の湯 美人の湯」の第2駐車場

昼頃に駐車場に着いた時にはまだ私の車だけだったが夕方になると駐車場は登山、沢登り、釣りをする人達の車とテントでいっぱい状態だった。
翌朝4時頃から駐車場はそわそわしてくる。早い人は「袖ダキ展望所で朝日を浴びたわく塚を見る!」‥と、2時頃から準備して出て行った。私は5時半前には駐車場を出発。テントを撤収してまだ暗い中、登山口に向けて車を走らせた。

06:05 登山口〜06:23 大崩山荘〜06:39 わく塚分岐・徒渉点 06:44
〜07:54 袖ダキ展望所 08:04 〜08:13 乳房岩〜08:37 下わく塚〜09:02 中わく塚
〜09:45 上わく塚〜09:56 リンドウの丘分岐〜10:11 坊主尾根分岐〜10:42 石塚
〜10:47 山頂〜11:20 リンドウの丘 〜11:38 リンドウの丘11:47〜12:09 小積ダキ
〜12:24 象岩〜12:56 坊主岩〜13:59 大崩山荘 14:13〜14:35 登山口
注意 本文中には地図等が出てきますが、説明しやすくするためにコヨーテ本人が作成したものであり
縮尺、方角等は正確ではありません。
またコースタイムには個人差があるため正確にしりたい方は国土地理の地図や他の資料をお勧めします。

06:05 登山口
前日下見に来た時には登山口付近の林道沿いにパラパラと車が止めてあったくらいだったが今朝はもう既にいっぱい状態!
登山口前より少し上がった橋の手前に駐車スペースがあったので止めることが出来た。テントを張って泊まっていた人、車中泊していた人も多い。登山者だけでなく、祝子川で釣りに来ている人の車も何台か見かけた。
早速準備して6時05分に登山口をスタートする。
まだこの時間の山の中は薄暗いが、もうライトを付けるほどではない。
大崩山のルートにはハシゴやロープがいっぱいで大変なところだ‥と聞いていたが、登山口から入って暫くすると上の方が少し壊れている木のハシゴやロープ、橋などにもう出合う。「最初からこんなんじゃ‥先までもつかな〜」

登山口 最初からハシゴにロープ、橋‥

06:23 大崩山荘
20分ほどで大崩山荘に到着。帰りにこの大崩山荘に寄ってみたが、中は意外と広く、綺麗である。ここに泊まり、泊まり道具を置いて登っている人もいた。また、ここは坊主尾根コースとの分岐でもある。
今回の目標は大崩山頂をクリアする事、そして大崩山の事が書かれている本やネットには必ずと言っていいほど写真が「袖ダキの展望所」から見た湧塚の岩峰を見る事である。体力と時間を多く使うこの山なので無理せず最低これだけは行きたいと考えていた。
そこで私としては湧塚ルートから上り、まずは「袖ダキの展望所」に行く。下湧塚、中湧塚、上湧塚を通り山頂を目指す。下りは坊主尾根コースを降りて登山口に戻る計画を立てていた。
坊主尾根コースはここから川を徒渉して上がっていくが、私は湧塚ルートからなので、そのまま左岸の登山道を上がっていく。(帰りは坊主尾根から再びここに戻ってきた)。


湧塚分岐までは15分ほどで行けた。でも、その間にも岩場をトラバースするところもあった。

大崩山荘 岩場のトラバース

06:39 わく塚分岐・徒渉点
三里河原との分岐に着く。ここから道を下り川を徒渉する。河原に出たところがビューポイント。正面には小積ダキの岩峰が存分に朝日を浴びながら聳えて見えている。

河原から望む小積ダキの岩峰

山の本によく載っている橋を渡る。今日は水が少ないが‥水量が多い時は渡るのがちょっと怖いかも。しかも橋を渡り、その先には短いが‥ハシゴの橋。私はこの橋にはドキッとしたものだ。
ここから袖ダキ展望所まで長〜い、そしてキツイ急登が続く。
この徒渉点から「今回初めて大崩山に登る人」「時々この山のガイドをしている人」の二人と出会い、一緒に袖ダキ展望所まで登ることになったが‥二人ともペースが速い!遅れまいと付いていったがバテバテ状態だ。
幾つか迷う箇所もあり、赤いテープを確認しながら登っていった。

橋を渡る 徒渉後はひたすら上り

ネットにも載っていた大きな岩と岩の狭い間を通り抜ける場所にも出合う。思ったほどは狭くは無く、らくらく通り抜けられた。
それからは石がゴロゴロしたガレ場を上がっていく。これがまたキツイ!先ほどまで流れていた沢はとうに無く、涸沢を上がる。
アルミのハシゴあり〜、木の根っこの階段あり〜、何度か休憩しながらひたすら登っていく。
途中、木の隙間からは坊主岩が見えてました。

07:50 袖ダキ分岐
ここから真直ぐ山頂へと登っていく道もあるがが‥それでは袖ダキも行けず、面白くないので袖ダキへと上がる。
ロープの連続直登して上がりきると‥そこには素晴らしい展望が待ち受けていた。

     

  涸沢の急登
                       袖ダキの分岐からのロープの上り

07:54 袖ダキ展望所
袖ダキから見た「わく塚の岩峰群」が目の前に聳えていた。写真で見るよりもその容姿は素晴らしく、圧倒されてしまう。
左側から下りに通る小積ダキが見え、谷を挟んで下わく塚の岩峰。吸い込まれそうである。‥おっと危ない。

袖ダキ展望所より小積ダキ(左)と湧塚の岩峰(右)を望む

早朝、朝日を見に早く出発した人達とここで出会い、小積ダキをバックに写真を撮ってもらった。
展望所から右側の乳房岩の上に立っている人達が見えていた。「よし、乳房岩にもいってみよう!」

小積ダキをバックに写真撮影 展望所からは乳房岩の上に立っている人達が見えた

08:13 乳房岩
尾根伝いに少し上がり、そこから少し降りて先ほどの「袖ダキ分岐」から分かれた縦走路に合流。少し道を戻って乳房岩に上る。
乳房岩からは先ほどの袖ダキ展望所が見える。(写真上から、右から2/3の付近の人が立っている場所)

また乳房岩からはこれから登る下湧塚も見えました。
再び縦走路に戻り上を目指す。

乳房岩から見た下湧塚 下湧塚への縦走路

08:32 下湧塚分岐
この辺から別のグループと知り合い、上湧塚まで一緒に登る。
縦走路の途中で下湧塚との分岐に出合う。ここから梯子の連続だよ〜!6本あり。梯子も慣れてきた。

         

   下湧塚分岐

                               分岐からすぐ梯子の連続

08:37 下湧塚
下湧塚からの展望は素晴らしい。今日は天気も良く視界も良かったので傾山や遠くは由布岳、鶴見岳まで見ることが出来た。
また、ここまで上がってくるまでに四国ママコナやリンドウ、アキノキリンソウなどの花も見られた。
次は中湧塚だ〜!尾根伝いに縦走していく。少し行くと中湧塚の雄姿が見えてきた。。

下湧塚 次に向かう中湧塚

09:02 中湧塚
13分ほど下湧塚で休憩していたので実際は10分ほどで中湧塚の基部に着いた。
岩からはロープが垂れ下がっており岩のてっぺんまで登れるが‥滑りそうだし、ここまでペースも早くきたせいか体もボロボロ状態。山頂への余力を残す為にてっぺんはパスした。でも岩の隙間からは次に向かう上湧塚がくっきり見えてました。(これだけで満足)。

中湧塚へ向かう 中湧塚から見た上湧塚

中湧塚の基部からは梯子やロープを使い一気に下っていく。これだけ下る分、また上らないといけばいので勿体無い気分でもある。下りは急であるが梯子やロープは注意して降りれば問題ない。ステンレス製の橋(思案橋)を渡り、ラストの梯子を降りると再び縦走路と合流する。

         

      思案橋
                         梯子を下ると再び縦走路との分岐


09:45 上湧塚
下った分上湧塚までその分上る。急登もあり。疲れもだいぶ溜まってきておりボロボロで何度も休憩しながら登る。
そして「上和久展望台」と書かれた板を発見。ここが上湧塚の基部である。予定していた時間よりも早くは着いたがボロボロ。
ここから見える岩壁の上にはロープで上ることが出来るようである。ここまで一緒に上って来たグループは「この岩壁」の上まで登るそうなので、ここで別れて私は先に山頂へ進むことにした。
「道は迷うことがない1本道」と言う話だが‥笹も多くなり長く感じられた。


09:56 リンドウの丘分岐
下りはここから曲がりリンドウの丘で昼食の予定。山頂へは直進して行く。

上湧塚の岩壁 リンドウの丘分岐

10:11 坊主尾根分岐
地図で見ると「リンドウの丘分岐」から「坊主尾根分岐」までは、ほんのちょっとのようであったが意外と時間が掛かった。道も少し荒れたようなところもあり傾斜もあったりもする。
坊主尾根を下るにしても、リンドウの丘へ寄るにしても山頂へ行って、再びここに戻ってくるので重いザックは分岐に置き、飲料水とカメラ、軽いおやつを持って山頂へ登ることにする。
山頂までは25分。縦走路を進む。

坊主尾根分岐 一部色付いた縦走路

10:42 石塚
身軽になり幾分か楽になる。縦走路では2箇所ほど色付いている木々も見られた。標高が高い分、紅葉も早いのかな。
どこからかの道?と合流して少し進むと‥いきなり、何やら岩群と出合う。
「あれ?石塚?」。坊主尾根分岐より抜きつ抜かれつつの二人組の一人が言う。
「そんなに早いかなぁ〜?」「宇土内谷からのコースと合流したかな〜?」‥と、最初はお互い分からなかったが、どうやらここは石塚のようだ。確かに展望も良いところだ。
そして何事も無く通り過ぎた先ほどの分岐は宇土内谷コースとの分岐のようだ。

縦走路 石塚の岩群

石塚からの展望は素晴らしい。視界も良く、ここから見える山々は‥何処がどの山か分からんが、見てて気持ち良い。
山頂へはここから5分ほど。山頂からは展望は望めないせいか、石塚で昼食をとっている人も多い。

石塚からの展望

石塚から笹のトンネルを進み‥この笹のトンネルは長いぞ〜!背丈ほどある高い笹の中、下に空いた道を頼りに進めど進めど周囲の様子は変わらず、段々と「ほんとに、この道で大丈夫かな〜?」と不安にもなってくる。
やがて「パッ!」と視界が開けたかと思ったら、そこは山頂であった。

10:47 山頂
山頂広場はそんなに広くない。周囲は木や笹で展望も望めない。真新しい山頂のプレートがあるのみである。
誰も居ない山頂にて一人セルフタイマーをつけて記念撮影そする。
長居しても仕方ないので直ぐ山頂を去り下る。


再び元来た道を下り荷物を置いた分岐まで戻る。
ここまで苦労して登ってきたが‥後は下るのみだ!リンドウの丘分岐から曲がり、昼食場所のリンドウの丘はもうすぐだ〜!
ザックは担いでいたが足取りも軽く感じられた。

だが‥

リンドウの丘までの道はややアップダウン。しかもリンドウの丘手前で迷ってしまった。
少し崩れた斜面を実は上の丘に上がって行くところを、その道が分からず斜面をトラバースしていった。
トラバースしたものの途中で道が消え、辺り一帯を行ったり戻ったり‥どうやら丘で休んでいると思われる人達の声は聞こえているが中々そこまで行けない〜。はっきりした登山道まで戻り落ち着いて見ると‥やっと道を見つける事が出来た。やれやれ‥
かなりのロスでやっとリンドウの丘に到着。

10:47
リンドウの丘

ここで昼食。だが、ここまで登ってきた疲労と暑さ(晴れていたが、そんなに気温は高くない。でも暑く感じられていた)で、あまり食欲は無い。持ってきたパンはパサパサに感じられ、水と一緒に湿らかし‥または一緒に流し込むようにして食べた。
やはり、こう言う時はゼリー状のウィダーゼリーなんかが良い〜。

「リンドウの丘」と言うが、リンドウの花はここでは見られなかった。

大崩山の山頂 リンドウの丘

食事を終えてリンドウの丘を発つ前に改めてここからの展望を望む。
う〜ん!ダイナミック〜!荒らそうな岩の峰々が連なって見える。ここは午前中に上がってきた岩峰。
思えば遠くまで来たもんだ〜♪

リンドウの丘からの展望 (左から上湧塚、中湧塚、下湧塚が見える)

丁度出発するグループがいて、結局は登山口まで一緒に下る。
後は下るだけ‥と普通の山は気が楽になるが、ここはそうはいかない。ここからが気を引き締めて降りないといけなかった。
坊主尾根のルートに入り下っていく。所々少しアップダウンもあり。
小積ダキの展望所より手前で見晴らしの良い場所では、リンドウの丘から見たものとは違った方向、形の湧塚の岩峰が力強く見えた。

「小積ダキ」手前の展望の良い場所から (左奥から上湧塚、その手前に中湧塚、右側に下湧塚と続く)

12:09 小積ダキ
取り合えず小積ダキの展望所に寄ってみた。でも先ほどの展望場所で湧塚の岩峰は見たので(疲れてたので)、岩群のてっぺんまでは上らず。
ここからは下の方に象岩も見える。そうです、ぞうです。
象の形をした岩の下を‥このあと通るのです。

小積ダキから見た象岩

12:24 象岩
この象岩の下をトラバースする。滑って落ちたら大変です。雨で濡れていたら怖いです。晴れてて良かった〜
でも象岩のトラバースはまだ序章に過ぎなかった。まだまだ梯子やロープは続く。

一人ずつ象岩の下をトラバースして渡る 梯子の連続

実はリンドウの丘に着いた頃から膝が少しくたびれて来ていた。湿布を貼り下ってた。
それに加えて梯子の連続である。参った〜(^^;; (^^;; (^^;; 。
ボロボロ状態。ハシゴを降りる時には足が震えてカタカタと音もします。

中にはロープも無い岩場の上りで、思いっきり足を上げて上がろうとしたら‥
思わずそれぞれの足が攣りそうになる。危ない危ない。一息ついてゆっくりよじ登る。

不安定な梯子 岩から岩へ

降りても降りても梯子は続きます。下の方で梯子を下りるカタカタ‥と音が聞こえると、「またかぁ〜」ってな感じ(^^;; 。
2段ハシゴなんて序の口。ハシゴを下には直ぐロープ‥ナンじゃこりゃ〜!
せめてロープに団子を結んでてほしいよ〜


下りる途中には坊主岩(またはイルカ岩とも呼ぶ)にも出合えました。

          

                               坊主岩(イルカ岩)

  梯子のあとにはロープもあるよ!  


やがて道は岩場から森の中へ。木の根っこを下っていく。
井原山の水無で鍛えているので木の根っこの下りはOKだ!でも足腰は弱っている。油断は出来ない。
ひたすら下り暫くすると林道分岐に差し掛かかる。ここから曲がって(右折)下りると林道に出合うのであるが、この林道は登山口にある林道の延長の先であり、つまりここから林道を通って車を駐車している登山口まで下りることも可能である。
でも、地図で見た限りは遠回りみたいだし‥ここまで来たら、ちゃんと(?)予定通りのコースで行こうと思い、ここは直進して大崩山荘経由で戻ることにした。
(下山後、美人の湯の人に因ると実は‥「林道経由で下りた方が翌日の登りに繋げられる」とか。登山口まであと僅かではあるのだが‥それでもまだアップダウンも幾つかあるので、林道経由の方が大崩山荘経由よりもいくらか体力を消耗せずに降りられる‥ということである。)

林道分岐を過ぎて、もう無いか‥と思っていた梯子にも1つ出合い(^^;; 暫くすると水の音が聞こえてくる。
そう!ここは祝子川の支流です。もう直ぐもう直ぐ!支流沿いを歩き、やがて祝子川に出たら徒渉して大崩山荘に着く。

山荘から登山口まであと20〜30分で戻れるが、ここで暫く休憩。建物の側にある水場で水を頂き、山荘にてちょいと休ませて貰った。暫く休むと動きたくなくなってきたが‥最後の力を振り絞り登山口まで戻った。

下山後はまたまた「美人の湯」へ
体はボロボロ!疲労も多きいので今夜もまた駐車場に泊まり、明朝帰ることにした。(本当は翌日、別の山に登る予定にしてたが無理無理)。
温泉で疲れた体を洗い流し〜冷房の効いた休憩室にて夕方までのんびり〜♪
夜は疲れてたせいか早めに熟睡。翌朝、朝食用に味噌ラーメンを作って食べて家に帰る。


素晴らしい景観。実に良い山でしたが‥あの梯子はもういい!
違う時季に‥アケボノツツジが咲く頃や紅葉の時季にもう一度、袖ダキ展望所くらいまではまた登ってみたい気はするが、
今回のコースや山頂はもういいかな(^^;; 。

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